2015年02月28日

風生忌




   雨折れの水仙庇ふ風生忌           かいう



 去る2月22日は 『 高浜虚子 』 の高弟であった俳人 = 『 富安風生 』 の忌日。
ワタクシ ・ 美緒ママの拙き俳句学習において、 心の師 ” のお一人と敬愛する往年の
大家です !
昭和54年 ( 1979年 ) のこの日、満 九十三歳の天寿を全うされました。
私が24歳の時だったんですね。
将来俳句を学ぶことになろうとは、まるで知る由もない時代でした。

 のちに、偶さかの縁を得て俳句の世界に導かれたワケですが、そのきっかけとなった一句が、
この先生の、



   街の雨鶯餅がもう出たか          風生



…… であったと言って過言ではありません。

 まだ肌寒い春雨のそぼ降る街角、ふと目に入った和菓子屋のガラスケースに 『 鶯餅 』 が。
そこで無意識に零れた言葉 …… 胸の裡にだけだったかもしれない …… けれど。
「 ほぉ、もうそんな季節か ! 」 と細身の品の良い老紳士の口元が、微かに綻んだのでは
ないかしら ? ―― 忽ちにその情景が見えた気がして !!
また、こんな親しみやすい口語表現によっても俳句が完成する、と初めて知った瞬間でした。

 以降風生先生の句に触れられるだけ触れ、ぐんぐん心惹かれて行った初学時代。
鶯餅を目にする度、この句の世界は褪せることなく甦ります。




   春昼といふ大いなる虚空の中          風生



 具象につけ抽象につけ、風生先生の句は自由闊達に普遍の空間を翔けり続けてゆかれる
のですね。




posted by 美緒ママ at 21:44| Comment(0) | 俳句 | 更新情報をチェックする
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