2012年10月23日

霜降


 10月23日 = 二十四節気 『 霜降 ( そうこう ) 』 。
我が在住の横浜辺りで、霜の降りる気配はまだ遠そうだけれど。
それでも季節は時折急な一歩を進めるのか …… 風雨と晴れ、気温急下降、と慌ただしい日でした。

 折しも暴れ回って過ぎた、シーズンただ中の颱風。
古語では 『 野分 ( のわき ) 』 と呼び、すなわち原野の草叢を吹き分けていく強風雨を意味
したものと思われます。
そうした吹きさらされる茫々たる草原のありさまを、古来象徴的に捉えてきたのが 『 武蔵野 』
という文様。
 そもそも武蔵野とは、関東平野南西部にある台地の通称です。
広大な平地ゆえか、古今和歌集に 「 武蔵野は月の入るべき峯もなし 尾花が末にかかる白雲 」 、
俗謡にも 「 …… 月の入るべき山もなし 草より出でて草にこそ入れ 」 と詠われたそうな。
その風情が、主に草やススキ、また月や雲などによって表現されるようになった由。


 で、これが、現代 “ 表現された ” ひとつの 『 武蔵野 』 。


        ★ 林邦佳作 『 色絵武蔵野図小皿 』

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 林先生には珍しい陶器の地に、彩色を施しています。
むろん筆致や色使いは、悠々自在な “ 邦佳流 ” !
聞けば、僅かに残っていた旧作とのことで、どうりで近年とは作風がかけ離れています。
その違いが却って貴重で、一客求めました。


 今では黒みを帯びてしまった見込みの銀彩が奥深く、たかだか径12 cm とは思えぬ
スケール感です !
あたかも荒野のススキ叢を、木枯らしが吹き渡っている …… ような気がしませんか ?

 


posted by 美緒ママ at 23:24| Comment(0) | 器・工芸 | 更新情報をチェックする
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