2012年10月16日

凄いモン見せて貰うた !


 某日、知り合いの趣味人の方から凄いモノを見せて貰いました。
( 画像無しでスミマセン …… )



 その1. 三代目 清風与平作 京焼 『 朱地金彩汲出揃 』 ( 品名は想像ですが )

 『 清風与平 』は、初代を幕末に遡る京の名工。
三代目は明治期に活躍され、何れ劣らぬ名手として賞賛を浴びたそうです。
誠に浅学にして初めて知った作者でしたが、当品の精緻繊細さは、私が知る内でも屈指の
技量と想像出来ました。

 形は綺麗なカーブで開き上がる朝顔型。
つるりと純白の程よい薄手生地に、上品なオレンジ色 = 極く明るい朱を巻いています。
まずこの朱巻きが、一体どーなっているのでしょう ?
こんな滑らかな表面を、あまり知りません !
“ 上絵付け ” の朱釉ですと、大抵はザラつくものです。
その滑らかな風情、生地の白さから、中国本国の本歌かと紛う程の当作 …… 文様がまた豪奢 !
品よく金彩一色で仕上げた図柄が、6客組みの内5客まで “ 絵替わり ” となっています
( きっと由緒有る物語とかなのでしょう ) 。

 で、またその金彩自体も、金泥なのか箔張りなのか ?
極めて繊細な輪郭を、もし箔で切り張りしているならば …… とんでもない技術ですよ、
ソレは !!
金泥を置くだけだって、むろん高度な技術。
そしてその金に微細な線彫りも施してあり、超絶デリケート ☆

 ん〜 、色・質感といい、コンセプトといい …… 往年の京焼の精巧さには瞠目 !!
大いなる眼福に与ったひと品でした。




 ところで、眼福はもう一つありまして …… とゆーか “ 耳福 ” !! ――


 その2. 明珍本舗製 『 火箸風鈴 』

 『 珍本舗 』は創業を平安期まで遡る、更に驚くべき名門甲冑匠でした !
現・52代目当主『 明珍宗理 』 氏を筆頭に、製品を切り替えつつ数々の存亡危機を
乗り越えて来た一門の、長き来歴を引き継いでおられます。
そのご精進、頭が下がります。

 さて、危機中最大だったのが幕末。
言うまでもなく武家社会の終焉によって、甲冑の需要は自ず激減しますよね !
( 求めるのは極く僅かな数奇者・コレクター )
そんな逆風の中で、当時のご当主の才気煥発 ? … 或いは止むを得ぬ方向転換 ?
後に “ 『 明珍 』 イコール … ” と謳われる “ 火箸 ” 製造に切り替えたのです。
もとより暖房器具が炭火中心の時代、この鉄製品製造は、食いっぱぐれのない賢明な選択
だったに違いありません。

 そうして需要を満たし、茶道の世界の工芸品としても価値を見出された 『 明珍火箸 』 。
高品位の鉄製品が生み出す “ 音 ” に着目されたのは偶然 ? … 必然 ?
 このことが次の大危機を乗り越えるきっかけとなったのは、一門の努力ゆえとしても、
ある種の奇跡を感じます
―― 使う火箸より聴く火箸風鈴へ !!


 さて、その日私の目前に現れたのは一対の、ずいぶんと長く重い “ 火箸 ” 。
装飾性はまるで無く、アタマを細紐で繋がれています。
そうです、所謂火箸としか受け取りませんでした、その音を聴くまでは。
いゃ、音を聴いてすら気づかなかった …… まさか “ 風鈴 ” だなんて !

 そして驚愕しました !
「 何という響き !? 」
南部の鉄製風鈴とも全く異なり、澄み切った響きが交錯します。
生まれて初めて聴いた音に思えて、忽ち魅せられました ☆☆☆


★ 明珍作 火箸風鈴の音

http://www.youtube.com/watch?v=z-YI1Xb_MCk&feature=related




 さらにネットで、明珍宗理氏が生み出したいっそう驚異的な “ 音 ” ( = チタン材
『 おりん 』 )に辿り着いた時、私は異界の音の魔法に掛かったようでした。


★ 明珍作 チタン材のおりん

http://www.youtube.com/watch?v=LgvCUGFVgT0


 祈りの空間の陶酔と、宇宙的な悠久無限 …… 妙なる残響が倍音を含みつつ漂います。
これはいつか絶対手に入れたいひと品です !!

 なお映像は、この 『 おりん 』 の音程から宗理氏が考案した楽器で、演奏家が披露
しているものです。
斯く、現代においては現代に生きる製品に伝統のワザを発揮する … その意欲、柔軟性と
飽くなき探求心 !!
職人の技能と忍耐力のみに拘らず、時代を生き継いだ結果、 『 明珍一族 』 の今日が
あるのかもしれません。




posted by 美緒ママ at 00:07| Comment(0) | 器・工芸 | 更新情報をチェックする
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