2012年09月22日

謎の小盌


 ワタクシ美緒ママの来し方、偶然の如く“ 陶磁器 ” ―― 中でも手造り食器と、親しく接する
道に導かれました。
だからって別に “ お茶 ” を習ったとか、本格的な “ 日本料理 ” に目覚めたなんてワケでは、
全くありません。実に奇しきご縁なのです。
身に余る眼福も数知れず ?

 なので先日の “ 染付磁器 ” に続き、秋向きの優しげな “ 土もの = 陶器 ” のお気に入りを
ご紹介しましょう。
まず初回は、カリスマ茶陶人 『 小林東五 』 先生。
先生は、元来が書家 ・ 篆刻家として名を上げた文人陶芸家です。
若年より和漢籍に通じ、高麗・李朝よりの陶技をも韓国奥地で厳しく修業された由 !
数年前に作陶業を辞するまで、茶陶界の逸材として、西海の対馬より独自の “ 美意識 ” を
発信して来られました。

 そうした高雅な世界に実は遠く、焼き物の本質とて熟知もせぬド素人主婦ながら、美緒ママが
わからぬまま何故か引き寄せられた東五作品 …… 。
My 所有中、特に “ 小さな佳品 ” として愛でている一点がコレなんです !



            ★ 小林東五作 『 粉引小盌 』

         DSC_73910001.jpg


 正直、用途のよくわからぬ小さな盌 ( 碗 ) です。
見た目は衒いのない “ 飯碗 ” サイズ。ころんとした丸みがとても愛らしく、掌に包めばまろやかな
陶器の感触。所謂 “ 粉引 ” と呼ばれる技法でしょう。
けれど何処か ―― 浅学ながらも私が今までに知る粉引とは、印象が違うのです。
白い化粧土を覆う透明釉の薄青い流れ。
第一、生地が白土 !?
“ 粉引 ” と称しながら、もしや “ 堅手 ” と呼ばれる類いではないの ?
My 所蔵の他の粉引の、野趣に変わるぎりぎり手前の土味とは違うわァ !
そうして、簡素な内に覗かせる絶妙な洗練 …… 。

 さらにその体裁。
こんな飯碗みたいな小鉢ものをひとつばかり、大事ほうじに木箱に納めるものでしょうか ?
小鉢に木箱を誂えるなら、五客入りが定石。
 かと言って、一つものにしちゃ、鉢としても抹茶盌にも小さ過ぎます。

 果たして上質な木箱の蓋に墨書きされた 『 小盌 』 とは ?
その真の用途は如何に ?
 某趣味人によれば、
「 恐らく記念品の類いじゃないか ? 寺とかお茶の偉いさんから特注された引き物 ―― 」
そのひとつが後に巷へ流出したのでは ? …… との推測でした。
むろん正確なところは不明。

 が、ともあれなかなかの稀少品に間違いは無いぞ ! ―― そう解して、私は内心小躍りしました。
だって “ レアもの ” 大好物だも〜ン ♪

 「 絶対ご飯食べた〜いッ 」
不埒にも公言しました (笑) 。
えぇ、だって使われてこその食器ですよ !
例えば小服の “ 茶盌 ” だとして ? ―― つまりある程度略式にしか出番の無いシロモノならば ?
いつまでもこんな白いまんまじゃ、色気ありゃしません。
まず普段に使い込み、然るべく風趣の出たところで、趣味の抹茶をたてるって寸法 !
それが正解 ☆

 いゃ、謂れは所詮定かならず。全く想定外の来歴を持つかもしれず。
が、未知なる部分があればなお、ロマンを掻き立てられるってモンよ ♪ ( 笑 )
どんどん使われ、どんな色に変貌していくか ? …… 陶器は殊更。

 そこで思い出す、某有名作陶家の蘊蓄 ――
「 窯を出た時、陶器はまだ、何割がたしか出来ていない。だから残りを使い手が、育て仕上げて
やってくれ 」 と。

 さらに畳みかける “ 天の声 ” ?
「 モノは何でも “ 良きモノ ” だけを見よ。良きモノをずっと見続けていれば、それが何故良いか
がわかる。 “ 悪しきモノ ” なんぞ見ちゃあならない !! 」

 …… はぃ、アートはみんなそーあるべきもの ♪




★ 小林東五作  『 刷毛目月字皿 』 『 刷毛目鳥字皿 』

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         立ち上がりの形状が殊更美しい皿 = 浅鉢 !




             ★ 小林東五作 『 井戸汲出碗 』

         DSC_73090001.jpg

      一客のみ所有の煎茶碗ですが、ミニチュア抹茶盌のような風格は流石 !




            ★ 小林東五作 『 天目菊型向付 』

         DSC_73100001.jpg

        こちらも一客のみ。古格ながら黒釉の艶がモダンでクールです ☆




posted by 美緒ママ at 23:05| Comment(0) | 器・工芸 | 更新情報をチェックする
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