2012年03月25日

『 西行の日 』


 そうそう、今年偶然大河ドラマで名が挙がったから、ってワケでもないんだけれど …… 。

   「 花あれば西行の日と思ふべし 」          角川源義

 美緒ママが嘗て俳句を学んでいた頃知った、最も印象的な句の一つです。
『 角川源義 』 はかの有名な 『 角川書店 』 の創設者であり、実業家、俳人。
ご存知 “ お騒がせ ” な 『 角川春樹 』 氏の父君でもあります。

 この句は、西行 = 佐藤義清クンの名歌

   「 願はくば花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ 」

に因む、実質忌の句と受け取れます。
歌がそもそも、釈尊入滅の時にあやかって、陰暦2月15日の頃に浄土へ発ちたいという
西行の願望を詠ったものであることは、あまりに有名ですが。
その “ 忌日 ” を敢えて “ 〜の日 ” とぼやかし、克明な表現を避け … 慎んだと言うか、
逆に洒落たのか。
この作者の句柄、他者に無い独特の捉え方が心に響きます。

 或いは、若くして喪った末娘・真理嬢 ( = 春樹氏の妹 ) への哀悼句、

   「 盆三日あまり短し帰る刻 」          源義

も簡潔にして重い …… 。

 しかしその句の中に、隠された源義自身の人格と行状の恐ろしき衝撃性を、認めることは
困難です。
私どもシロウトは、表面的・またはせいぜい浅く穿つことしか叶いますまい。


 それにしてもこの句を味わうにつけて、悩まされるのが結局 「 西行の日 」 。
つまり 「 西行忌 = 陰暦2月16日 ( 陽暦3月中旬 ? ) 」 に 「 花 ( 櫻 )
あれば 」 … って、有る = 咲いてるのか ? 櫻が !という現実。
『 ソメイヨシノ 』 には到底早過ぎるし、辛うじて 『 ヒガンザクラ 』 が咲き出せば
イイ方。
まして、春の遅い今年は、ヒガンザクラの蕾さえ固く … ( 汗 ) 。

 仕方なく現代人は、 『 カワヅザクラ 』 か 『 タマナワザクラ 』 に肩代わりして貰い、
西行の日を偲ぶ定めかも … ですね ( 苦笑 ) 。


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posted by 美緒ママ at 23:15| Comment(0) | 俳句 | 更新情報をチェックする
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