2013年09月25日

『 石への想い 』 12  美意識の継承?  


 ある夏、 「 今秋はパープルとタータンチエックが主流 」 って、テレビが姦しかった。
またの年は 「 前シーズンからキているネイビーが依然人気 」 とか ?
ふ〜ん ? …… と私は気のない返事。
シーズンごとに目まぐるしいファッション・流行色にいちいち追従 ?
いゃいゃ、ご苦労さま ( 苦笑 ) 。

 だからメンドくせっつーの、女はッ !
そりゃぁ坂東モンの心意気 ―― お江戸の “ 粋 ” は “ 季節先取り ” だからって、実際問題
ついこの間までの残暑は激烈〜( 大汗 ) 。
もう秋冬物を、って言われても、見るも堪らんアリサマでした !!

 ったく流行ってヤツ、真夏にロング・ブーツ、首にストール巻かせ、真冬とゆーに腹見せ半袖
ニット、上にツンツルのファー・ベスト、ボトムがナマ足ショート・パンツときたもんだ !!
…… いゃはゃ、何とかならねぇもんか ? そーゆーハチャメチャな季節感は …… なァんて眉を
顰めれば、「 古ーッ ! 」 と笑われる ( 汗 ) 。

 けど、わからんモンはわからんッ、その感覚 ( 怒 ) 。
暑けりゃ涼しく、寒けりゃあったかく、とゆー “ 当たり前 ” が通らん !?
そうさ、こちとらガキの頃から、雨が降りゃカッパ着て長靴履いて、冬は襟巻き・手袋するンだよ。
てやんでぃ、伊達の薄着で震えるなんざ、粋の風上にも置けやしねぇッ ! …… そう口の中で
啖呵切ってみはするが。

 嗚呼、本当の “ 粋 ” とは ?
伝統の “ 美意識 ” とは ?
その継承とは如何に ?


 そーゆー当節日本の美とはかけ離れているけれど …… ある種 “ 全うされた美学 ” のお手本を、
垣間見たことがあります。
『 Cazzaniga ( カッツァニーガ ) 』 ―― 現代イタリアにおいて “ 至高 ” と呼ばれる
宝飾ブランドです。
生まれて初めて聞く名前、初めて見る豊饒の具象 ☆☆☆


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 『 カッツァニーガ 』 は六本木の某ジュエリー・メゾンが専売する、極く特別級ブランドらしい。
ある時婦人雑誌に掲載された特集グラビアが、私の目を射抜きました !!

 1929年、イタリアはローマに産声を上げたジュエラー 『 カッツァニーガ 』 。
創始者 = 先代 『 アンジェロ・ジョルジョ・カッツァニーガ 』 がその卓越したセンスとエネルギー
と情熱を噴出させた、美とアートの融合。
それは後の比類無き業績へと、アンジェロ・ジョルジョの信念によって導かれるのですが。

 けれどそんな能書き以前に、瞬時私を引き付けたのは何だろう ?
正直、その要因はわからぬままながら …… 。

 が、一つにはまず、存在感ではないかしら ?
その迫力 !
何よりも豊富な色石の混在 ―― 原色のとりどりが生み出す絢爛豪華。
またそれらをいだく地金のニュアンス …… イエロー、ホワイト、レッド、グリーン等ゴールドの
えもいわれぬ多彩・豊穣。


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                   and many more and more ……


 こんな色彩の魔法を、見たことがありません !!!
それでいながら重苦しさやケバケバしさの無い、この空気感はいったい何故 ?
それがもしかしたら、アンジェロ・ジョルジョの育った幼時環境によるものかもしれない、と
私は解説書より推察するのです。

 …… 真の美しさ・豊かさを空気のように吸収して育った感性 ―― 即ちアンジェロ・ジョルジョ
の生い立ちがそれを物語っています。
本格的美意識を植え付けられた環境とそれを培い得た本能的体質 ―― その奇跡に、賞賛を禁じ得
ません !
 1908 年のローマ、アンジェロ・ジョルジョが生まれた頃、父ルイージは、当時バチカンに
隣接する広大な敷地を占めた 『 アバメリック伯爵 』 家の住み込み家僕でした。
従ってその子 = アンジェロ・ジョルジョも物心ついてより、伯爵家の贅沢な環境に身を置いたの
です。
このアバメリック伯爵とは、何と帝政ロシア皇帝ニコライ二世の従兄弟だというから凄い !
没落直前のロマノフ王朝文化の豪奢は、筆舌に尽くし難かったと言われますもの。
斯様な文化圏 = 至高の美の宝箱の如き伯爵邸を日常空間として、呼吸していた子供とは ?
…… 嗚呼どれほど、 “ 成金趣味 ” と対極に居たことでしょう !?

 『 ハリー・ウィンストン 』 や 『 グラフ 』 、石の大きさを ( 勿論石質も ) 競う
ジュエリー・メゾンの中、それらとはどこか異なる姿勢が 『 カッツァニーガ 』 には貫かれて
いるのかも。

 私如きしがないド素人には、高品位の歴史的美術品とさえ見紛う …… 。
しかしあくまでも人間の身に添い、その日常を癒やし潤し自信を与える ―― という宝飾品の使命 !

 眼福に浸りつつ、瀟洒な作品の丹念なディテール ―― 失われず継承し得た美意識に、嘆息させ
られるばかりでした。




posted by 美緒ママ at 21:57| Comment(0) | 癒やし処 | 更新情報をチェックする